新規事業・BPR・DXにおけるビッグデータとは?

ビッグデータとは、既存の一般的な技術では管理することが困難な大量のデータ群と定義されています。一般的にVolume (量)、Velocity (速度)、Variety (種類)の3つのVで表され、近年ではデータ固有の価値や信頼性が重視されていることから、Value(価値)が追加されました。 ネットワーク環境の発達やSNSの普及によって、大量のデジタルデータが生み出されるなか、膨大な量のデータ収集が可能なフレームワークの開発も進んでいます。また、オープンデータ(二次利用が可能な公開されたデータ)としてビッグデータを公開・活用することで、新事業やサービスの創出、経済の活性化につながることへの期待も高まっています。

Point.1 各業界におけるビッグデータの応用例

ビジネス分野ではデータの蓄積・統合を行い、過去・現在の分析および未来予測することで環境変化への対応や新規事業・イノベーションの創出がさまざまな業種で図られています。 複雑な非構造化データを生成する医療業界では予防医療への活用が。ウェアラブルデバイスなどから収集されるビッグデータを活用することで、患者の健康状態を監視し、医療機関にデータを転送できます。さらに何百、何千万人もの患者から収集したデータを使用することで、根拠に基づいた診断が可能となります。 旅行業界では顧客の観光地への興味や行動特徴のデータに基づいてビジネスを展開しています。口コミや検索キーワードのデータを分析することにより、提供するサービスの需要や課題抽出を行います。 小売業界ではビッグデータを用いた市場と顧客関心の分析により、小売業の生産性と効率化を図っています。売上データを分析することで、商品の需給予測の精度を向上させ、製品の入荷に関して合理的な判断をすることが可能になります。 また、教育の現場では学習履歴や行動履歴などのデータを収集し、可視化・分析することで、成績と学習行動の関係性を明らかにします。それに基づいて個々の学生のためにカスタマイズされたコースを作成し、全体的な結果の改善に取り組んでいます。 さらに、農業にもビッグデータの活用は波及しています。センサーから得られた気温・日射量・雨量や農作業のデータを解析することで、生産計画から収穫・出荷までを可視化し、収穫の予測や生産性向上につなげています。

Point.2 DX推進を加速するビッグデータの活用

統計的な分析やAIでの解析によって、ビッグデータから高い価値を産み出す取り組みも進んでいます。 AIの機械学習やディープラーニングの発展により、これまで困難とされていた膨大なデータの管理や解析が可能になり、分析の効率化や有用なデータ抽出が可能になりました。 従来は人の手によって行われていた画像や音声などのデータ分析・整理も、AIによって自動化できるようになっています。これに伴い、ディープラーニングの精度を上げるための膨大なデータを扱えるデータサイエンティストの需要も増加しており、さらなるAIの開発に期待が寄せられています。 近年、注目が集まるDXにもビッグデータの活用は欠かせません。デジタル技術によって企業の変革や新たな価値の創出を図るDXにおける重要な要素の一つと言えるでしょう。 また、DX推進に有効な手段として「データドリブン経営」が注目されています。データドリブンとは、業務によって得られるデータを分析し、経営やマーケティングなどに活用する手法です。データドリブン経営は、客観的なデータ分析に基づいて企業経営や経営判断を行うという考え方です。多様化・複雑化する現代社会では、リアルタイムでのデータ分析や迅速な経営判断のためのデータ活用によって、ビジネスそのものを変革することも可能になります。

ビッグデータ技術を活用したデジタルスタートアップ企業の最先端事例一覧をたった一文にまとめています