新規事業・BPR・DXにおけるAPIとは?

APIとは「アプリケーション・プログラミング・インターフェース」を略したもので、ソフトウェアやアプリケーションなどの一部を公開し、他のソフトウェアの機能を利用するための仕組みです。外部と連携できる状態にすることを「APIを公開する」といい、ソフトウェア同士をつなげることで機能性が高まり、利便性も向上します。 また、APIを利用すると、別のソフトウェアから使いたい機能を簡単に呼び出すことが可能になるため、独自にプログラミングをする必要がなく、アプリケーション開発を効率化・省力化できます。

Point.1 公開する側と利用する側、双方にメリット

APIには、「公開する側」と「利用する側」の双方に取り組むメリットがあります。公開する側のメリットとしては、自社のデータやサービスを流通させることで収益やシェアを拡大することができます。利用する側には、顧客への迅速な価値の提供に加え、自らプログラムを構築する必要がないため、ソフトウェア開発の効率化を図ることができ、新たな価値の創出につなげることも可能となります。 さらに、セキュリティ面にもメリットがあります。例えばGoogleアカウントを利用してGoogle以外のアプリにログインできるのは、各種サービスとAPIによる連携ができているためです。自社で新たに会員登録システムを構築するより、すでにあるセキュリティレベルの高い会員システムを活用する方が効率的です。それはユーザーにとっても利便性の高いことといえます。 これらの利点が示すとおり、今や新規事業においてAPIの活用は欠かせないものとなっています。代表的な例が、金融分野におけるFinTech(フィンテック)です。フィンテックとはファイナンスとテクノロジーを組み合わせた造語で、既存の金融機関と新しい金融サービスを提供するIT企業を結び付ける革新的な取り組みです。スマートフォンを使った送金や、コンタクトレス(非接触型)決済、QRコード決済、仮想通貨などが挙げられます。APIの活用によって、ゼロからサービスを立ち上げることなく、スピーディに利便性のある新たな金融サービスが生み出されています。

Point.2 多様な分野に広がるAPIの活用

金融分野以外でもAPIの活用は進んでいます。例えば旅行業界では、ホテル予約や配車サービスをワンストップで行うサービスに利用されており、保険業界では、自動車の走行・運転データを活用することで保険料率を算定する「テレマティクス保険」が導入されています。さらに次世代の交通インフラとして注目されるMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の促進においても、APIは不可欠です。APIによって複数の交通手段を組み合わせた予約や支払いを一括で行うこともできるようになります。ヘルスケア分野では、個人の医療・介護・健康データであるPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)の構築・活用において、APIが欠かせないと考えられています。これらの事例からもわかるように、APIは企業のDXや新規事業開発の実現を支える重要な要素のひとつです。APIが真価を発揮するには、コアサービスを持つ企業がAPIを公開するだけでなく、利用する企業が時代の変化に応じた環境を整備し、それを活用する流れを確立する必要があります。 APIを中核としたプラットフォームを構築し、社内外のさまざまなシステムと連携する体制を整えることにより、新たな価値を生み出し、ビジネスモデルに変革をもたらすことはもちろん、後続するプロジェクトのスピードも加速させていきます。今後多くの業界において連携できるAPIが増えていけば、世の中を便利にする新たなサービスの創出が実現していくでしょう。

API技術を活用したデジタルスタートアップ企業の最先端事例一覧をたった一文にまとめています