モバイルはそもそも「可動性の」という英語の形容詞です。わが国ではIT用語としてスマートフォンやタブレットなど、持ち運べる小型端末を指す名詞として使われています。それらはインターネットが利用できることを前提としており、外出先でも通信ができるシステム全体を指す場合もあります。モバイルを駆使して社外で働くことを、「モバイルコンピューティング」や「モバイルオフィス」と呼びます。 モバイルが普及した背景には、移動体端末や無線通信技術の進化、通信速度の飛躍的な向上にあわせて、モバイル端末で閲覧・利用できるモバイルコンテンツが爆発的に増加したことがあります。スマホのアプリを介して、新たなビジネスが活発化しています。
モバイルアプリの活用として思い浮かぶのはSNSです。スマートフォンの普及とともにSNSは急激な成長を遂げ、社会生活だけでなくビジネスにも必要不可欠なものになっています。ゲーム業界では、このSNSをプラットフォームにした「ソーシャルゲーム」の市場が拡大しています。ユーザー同士でランキングを競い、アイテムをトレードしながら遊べることから、人気を集めています。 自動車業界では、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の普及にモバイルが大きな役割を果たしています。あらゆる交通手段をシームレスにつなげるMaaSでは、モバイルアプリによってカーシェアサービスも利用できます。また世界中に広がる配車サービスも、モバイルアプリの活用が必須です。さらにスマートフォンを使ったオンライン決済サービスも、今や新しい常識となりました。多様な支払方法を多くの店舗が導入しており、キャッシュレス化が進んでいます。 このほか定額料金によって音楽や映画などのコンテンツを利用できる「サブスクリプション」など、モバイルを活用した新しいビジネスも急速に増加しています。商品やサービスなどの情報を顧客に提供するコミュニケーションチャネルとしてモバイルを活用する事例も増えており、モバイルおよびモバイルアプリは、新規事業の立ち上げや企業のDX化において成否を左右する重要な存在です。
外出先や在宅など、社外で働く「モバイルコンピューティング」「モバイルオフィス」も定着してきました。コロナ禍によってもたらされたテレワークで、その動きは一気に加速しており、社内の業務改革を担うBPRには、モバイルの活用は欠かせないものになっています。 モバイルを活用した業務ソリューションとして挙げられるのがWeb会議です。顧客への営業活動にも活用されていますが、業務改革の有効な手法としても注目されています。 自宅と会社のパソコンをWeb会議システムでつなぎ、リモートで社員間連携を図ります。必要に応じてグループウェアなどのソフトを利用し、コミュニケーションの促進も可能です。リモートワークでの意思疎通の難しさはあるものの、グループウェアを使うことで仲間の情報や仕事の状況が統合管理でき、協調・協業を加速させる効果があります。 こうした環境を整えるためには、会社から社員へのモバイル端末提供が前提条件となります。多くの企業では、新しい働き方を実現するためにはモバイル端末への投資が欠かせないと考えています。以前はスマートデバイスが注目され、スマートフォンやタブレットを利用するケースが多く見られましたが、在宅ワークの広がりによって業務効率などの面からノートPCが重視されるという傾向もあるようです。 このように、モバイルには大きなビジネスチャンスの可能性があるだけでなく、ニューノーマル時代の働き方を支える重要なアイテムの一つでもあります。
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