企画と開発両面での支援が、現場を巻き込んだ課題整理と解決につながった
東急リゾーツ&ステイ株式会社様では、キャディとゴルフ場をマッチングさせる新規事業「CaddyFit」の企画・開発を進めており、ビタリーがプロジェクト推進を支援しております。 CaddyFitを企画・運用する事務局の皆様に、プロジェクトの内容やビタリーとの取り組みについて伺いました。
お話を伺った方: 東急リゾーツ&ステイ株式会社
ゴルフ運営統括部 運営管理部 運営統括グループ
グループリーダー 松田 有司氏
係長 高橋 利勝氏
インタビュアー:Caddy Fit事務局支援 株式会社ビタリー 江川
法改正に伴うゴルフ業界の課題に貢献したい
ー新規事業であるCaddy Fitの構想背景について教えてください。
弊社は全国23カ所のゴルフ場の運営管理を行っており、多くのゴルフ場にて複数のキャディ派遣会社とお付き合いをしております。その中で、2015年の労働者派遣法改正(2018年9月末 経過措置)により一般派遣業登録申請が義務化されたことで、登録申請に多額の基準資産・事業資金が必要なことから、いくつかの派遣会社が登録できない状況になりました。その結果、未登録の会社との契約継続が難しくなり、キャディ不足によってお客様のキャディ付プレー要望に沿えない問題が顕在化しました。
現在の派遣キャディ契約では派遣ニーズの高い週末確保の為、ゴルフ場間の獲得競争が激化した結果、止む無く平日も含めた雇用条件を交わさなければならず、ゴルフ場にとっては納得のいくものになっていません。また、キャディ本人にとっても、キャディ業務がない中で、ゴルフ場でその他の業務を行わなければならないため、モチベ―ションを保つことは困難だと考えられます。 ゴルフ業界においてキャディ付運営スタイルの需要は必ず存続するため、弊社がこの課題解決に貢献できないかと検討した結果、Caddy Fitの構想に至りました。
ープロジェクトを推進する上で、課題に感じていたことを教えてください。
Caddy Fitを新規事業として成り立たせるためには、ニーズを持つゴルフ場の参画が必要となるため、まずは実際に使用するゴルフ場の要件を決めるところから取り組みました。運営ノウハウを持っている現場メンバーの知見を活用するため、弊社が運営する「麻倉ゴルフ倶楽部」の稲田総支配人をはじめ、三浦支配人、渡邊副支配人、湯川マスターにもプロジェクトに参加していただき、現場のメンバーを巻き込みながら進めていきました。 現場で働くメンバーは本業も忙しいため、会議への不参加によって理解度に差が出たり、現場の細かい運営目線での要望をビジネス目線で精査して要件へ落とし込む必要があったりと、事務局・現場双方で理解度を合わせながら、双方が納得して目的に沿うバランスの取れた意思決定をしていくことに課題を感じていました。
ービタリーとのプロジェクト推進を行った背景を教えてください。
ビタリー社を知ったのは当社グループ会社からの紹介でしたが、企画・開発両面から一気通貫で支援をしてくれるという点を魅力的に感じ、今回のプロジェクト推進支援を依頼しました。プロジェクトの最初に提出いただいた企画提案書では、本プロジェクトに対する我々のイメージが的確に表現されており、クライアントからの要望を聞くこと、実現することに長けていると認識致しました。
実際にプロジェクトを稼働させてからは、現場を巻き込んでの課題整理と解決に尽力いただき、双方が納得のいく要件を定めることができました。開発フェーズに入ってからも、仕様変更の要望が出た際は企画での意思決定に立ち返りながら再精査し、随時開発内容を修正いただくなど、臨機応変にプロジェクトをハンドリングしてくれました。 当社は、企画構想やサービス開発を主としている会社ではなく、企画と開発が一体となってプロジェクト推進を行うという経験があまりありません。企画・開発の双方を支援いただけることは、非常に心強く感じていました。
打ち合わせの中での現場のちょっとした意見もしっかりと聞き入れてコミュニケーションを取ってくださるなど、非常に安心感がありました。
今回の成功事例をもっと広げていきたい
ー本プロジェクトを通して得られた成果や知見があれば教えてください。
2021年の10月にサービスをリリースしてから、現地から実際に使う中で感じたフィードバックが来ており、本サービスへの熱感を感じられて嬉しく思っています。既に業界の各所から多くの反響をいただくなど、期待感を持っていただいているので、今後サービスを様々な形で広げていけるのではないかという感触を持っています。
今回サービスを導入する最初の事業所として麻倉ゴルフ倶楽部を選定しましたが、地域の中では認められているゴルフ場であることや、支配人のコミュニケーションのおかげもあって、今後の展開イメージが広がってきています。
現場への理解が進んだことも大きな1つの学びでした。 今までも会社としては派遣免許も持って派遣事業者としても活動していましたが、今回初めて本部主体で派遣事業を開始しました。 採用や研修など現地目線での派遣運営の苦労を目の当たりにして、プロジェクトを進めていく上では、やはり本サービスを主で使う人である現場とのコミュニケーションは非常に大事だなと改めて実感しました。
ー今後の展望について教えてください。
今後のさらなる展開としては大きく2つのことを考えています。
まず、キャディ派遣業での利用拡大です。麻倉ゴルフ倶楽部以外の弊社が運営する各ゴルフ場で活用したいと考えていますし、他の派遣会社の方々にも活用していただけると、よりゴルフ場・キャディの皆様双方の利便性向上に寄与できるのではないかと考えています。
もう一つは、他の業態への展開です。社内の別部署ではホテルやリゾート施設の短期バイトなどで多数の人員を管理する機会があります。その際に、今のシステムをうまく転用することができれば、ホテル・バイトの皆様双方の利便性向上に同じく寄与できるのではないかと考えています。
今回のプロジェクトを通じて、自分たちの知見や成果を得られただけではなく、「東急」というブランドへの評価も感じました。より一層サービスを良いものにできるよう、引き続き頑張っていきたいと思います。